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宇佐照代 × 寺田亮平  アイヌとシベリア・トゥバ

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このコンサートは満員になりました。当日券の予定はございません。

予定されていた皆様には申し訳ございませんが、またの機会をお待ちいただければ幸いです。

たくさんの申し込み誠にありがとうございました。

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ヤイレンカのリーダーであり、首都圏唯一のアイヌ料理店ハルコロを切り盛りする、宇佐照代さんとコンサートをご一緒させていただくことになりました。大久保在住の僕の古い友達が宇佐さんとも知り合いで、色々と助けてもらいました。会場はハルコロから歩いて5分くらいのとっても素敵なライブハウス「ひかりのうま」さんです。光る馬・・・トゥバ男子的にはかなりポイントが高い店名ですが、お酒も料理も美味しい大久保の人気店です。

 実は今年2月にちょっとした集まりで宇佐さんとご一緒させていただいたんですが、かなり面白い内容だったのでまた今回場所を変えて企画しました。宇佐さんの素晴らしい歌や踊り、ムックリ演奏を是非ご覧頂きたいです。2人それぞれのパフォーマンスと、セッションも是非お楽しみ下さい。あと、本当に可愛い宇佐さんの4歳の娘さんも(多分)一緒に歌ったり踊ったりしてくれると思います!

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宇佐照代 × 寺田亮平

アイヌとシベリア・トゥバ

2017年 105(木) 

会場:ひかりのうま 東京都新宿区百人町1-23-17-B1(JR大久保駅南口改札出て右側すぐ)

1900 開場 2000 開演

チケット:予約 2500円(+1drink

     :当日 3000円(+1drink

【予約】:dtxmain@gmail.com (お名前、枚数、連絡先を明記の上メールにて)

     

お問い合わせ 070-6655-4479(寺田)


宇佐照代 UsaTeruyo

北海道釧路市生まれ 10歳の時に上京し、アイヌの伝統舞踊やムックリ(口琴)などを習う。北海道ムックリ大会にて2年連続優勝。現在はアイヌ伝統刺繍や木彫り、トンコリ(弦楽器)などに取り組むほか、アイヌパフォーマンスグループ「ヤイレンカ」の代表として踊りを中心に活動中。また、アイヌ料理店「ハルコロ」を新宿の大久保にて営業中。映像作家すぎはらちゅんさんが都内のアイヌ民族らと作ったアイヌ語の短編アニメ「七五郎沢の狐(きつね)」で声の出演もしている。若い世代が伝承していかなければアイヌ文化が消えてしまうとの危機感から現在、小・中・高校生向けの人権問題体験学習会の講師などを務めている。


寺田亮平 Terada Ryohei
トゥバ音楽演奏家・喉歌歌手。1999年より喉歌を習い始め、2010年よりトゥバと日本を往復しながら現地での滞在修行を続けている。喉歌、トゥバ語による伝統的な歌の他、伝統楽器イギル、ドシプルールなどを演奏する。師匠はモングンオール・オンダ−ル他。国際シンポジウム他現地で受賞暦多数。現地ではトゥバの伝統的な歌の聞き取りや翻訳作業、トゥバ各地方での撮影等フィールドワークを行う他、日本国内では中央アジア、シベリア関係のコンサートや各種イベントも自身で手がけている。2017年に共和国政府からトゥバ文化大使として表彰された。


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by teradaryohei | 2017-08-30 22:08 | ライブ情報 | Comments(0)

アラシュ alash  алаш


 最近自分の演奏動画などまったく撮影していなかったので久しぶりに。

 今年はフェスティバルで、伝統部門と現代解釈の2部門に出演したのですが、現代部門では僕はトゥバ西部に伝わる「アラシュ」という歌をギターでアレンジして、前半部分をトゥバ語で、後半部分を自分で書いた日本語で歌いました。あまり喉歌を多用しないのでコンクール向けではなかったんですが、別にいいやと思って好きにやりました。

 動画を見てくださればわかりますが、聞いてくださった方の反応は概ね好評で(かなりウケた)、演奏した後はこの曲、アラシュ川がグループ名になっているアラシュのメンバー、アヤン・シリジク、アヤン・オール・サム、元メンバーのナチューン・チョードゥーの3人もステージ裏で聞いてくれていたので終わったあと握手しました。(バドゥ・ドルジュ・オンダールは審査員だった)あまりトゥバに無いテイストに仕上げたので、本人たちも結構驚いてくれていたようでした。

この曲を特に中心的に歌っていたのは初期のメンバーであるマイ・オール・セディップという歌手です。僕が若手で最も好きだった歌手の一人で親友です。現在彼はグループを離れ仕事の関係でトゥバにいないことが多いんですが、今年4年ぶりに再会することができました。奥さんと彼にこの曲を弾いて聞かせることが出来たのが、僕にとって今年一番印象深かった出来事のひとつでした。


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by teradaryohei | 2017-08-25 20:17 | トゥバの音楽 | Comments(0)

2017帰国しました

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先日トゥバより帰国しました。

今年は例年より滞在期間が短く、2ヶ月弱程度しかいなかったこともあり、それほど頻繁に地方に滞在することはしませんでした。それよりも今年は練習したり、より音楽に向き合おうと思っていたという事もあります。

 今年は8/13から5日間程度、国際フェスティバルKhöömei in the Center of Asia 2017 が開催されました。有難いことに今まで様々な賞を頂いてきたのですが、今回僕は演奏以外にAmbassador of Tuvan culture (トゥバ文化大使)という何ともドエライ名前の賞を頂きました。まあ、毎年トゥバに来ていますし、僕の日本での活動なども見てくれているでしょうから、一種の感謝状なんだと受け止めています。ただ、大統領のサイン入りで副大統領から直接手渡されたので、受賞直後はひっくり返りそうになりましたが・・・授賞式もまったく予想していなかったのでTシャツ1枚でした。未だに実感が無い感じですが、たくさんの友人たちからお祝いの言葉を貰いました。

 今年で夏の長期滞在も8年目になります。今年は親しくさせていただいていた方が亡くなったり、友人に新しい命が生まれ、知り合いの子供たちも1年会わないうちにびっくりするくらい大きくなっていたり・・・僕にとっては本当にあっという間という感じなんですが、確実に年月の流れを感じます。しかし、今年は有難いことに賞なども頂いて大変光栄なことですが、僕自身としてはまだ何も出来ていないな、というのが正直なところです。
 
 日本でトゥバの文化を知らしめようと、インターネット上に文章を書いたり、人前で話したりしたりと活動してきたことは、トゥバ人にとってよそ者である自分が、日本で演奏活動を行うために最低限必要なことだと思ってきました。実際トゥバなんて知らない日本人がほとんどなので、説明する必要もありました。もちろん、トゥバの文化は大変興味深く、学べば学ぶほど奥深く、その魅力をたくさんの人に知ってほしいという思いは強く持っており、その気持ちは今でも変わっていません。ただ自分は研究者ではなく、演奏家であり、音楽家であり、表現者であると思っています。これからより深く、自分自身の表現と向き合っていかなければなりません。

 ただ、トゥバはもう完全に自分の人生の一部になってしまいました。トゥバの友人たちやトゥバで学んだことは僕にとって一生の宝物であり、多分僕にしか出来ない仕事もあるんだろうと思っています。
 良く日本で「寺田君いつトゥバに帰るの?」とか、トゥバでも「早く帰って来い」、とか、冗談を言い合うことがあります。僕はトゥバにどれだけ通おうと外国人であることに変わりはありませんが、自分を大きく育ててくれた場所を故郷と呼ぶのなら、多分僕にとってトゥバはそういう場所になったということなんでしょう。

 トゥバは本当に面白いところです。これからも皆さんに、僕が知っているトゥバのほんの一面でも、その魅力を伝えられたらと思っています。

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 写真はフェスティバルの最終日、授賞式にて。左はダンバーフラク副大統領。息子さんのアイドゥン君は柔道をやっており日本にしばらく留学していたこともあります。



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by teradaryohei | 2017-08-24 21:46 | トゥバ日記 | Comments(0)

トゥバの音楽とインドの笛と

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日本を代表する北インド古典音楽の演奏家でバーンスリー奏者、寺原太郎さんと光栄にも再びご一緒させていただきます。

何度か競演の経験をを重ねさせていただき、コンビネーションもぐっと良くなりました。より深みのある演奏をお聞かせできるかと思います。

僕もこのコンサートでは色々と新しいチャレンジが出来るよう準備しています。是非気軽にお越しください。

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トゥバの音楽とインドの笛と


トゥバ音楽の演奏家寺田亮平氏とインド音楽バーンスリー奏者寺原太郎の「てらてらコンビ」で醸す摩訶不思議な音楽の旅。


【出演】寺原太郎(バーンスリー)、寺田亮平(イギル、ドシプルール、ホムス、喉歌他)

【日時】5月26日(金)18:30open19:30start

【参加費】2,500

【会場】音や金時 杉並区西荻北2-2-14喜志コーポB1 TEL:03-5382-2020

ご予約は受けておりませんので直接ご来場下さい。


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by teradaryohei | 2017-05-05 21:33 | ライブ情報 | Comments(0)

北方諸民族の歌と踊り - ② ショル民族の音楽

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トゥバ共和国の北西部にはハカス共和国が隣接していますが、ハカスから西に隣接するケメロヴォ州にはショルと呼ばれる人々が住んでいます。テュルク系のショル語を話し、2010年調査で約13000人という数字があります。

往年のボクシングファンの方なら、ユーリ海老原(勇利アルバチャコフ)を覚えていらっしゃるでしょう。彼はケメロヴォ州の家が7件しかないという集落出身のショル人です。

ショルには、トゥバやアルタイ、ハカスと同じように、喉歌の音楽文化があります。その音楽文化を一身に背負っているといっても過言ではない、代表的な歌手がチュルトゥス・タンナガシェヴァでしょう。



僕はもともとチュルトゥスの大ファンだったのですが2015年にトゥバの友人を介して知り合いになり、現地で同じイベントに出演したこともあります。彼女は複数のテュルク系言語に通じておりトゥバ語でも多少会話することができました。特にトルコ語は上手いらしく大変知的で聡明なミュージシャンです。彼女はテュルク世界ではショルを代表する歌手として幅広い演奏活動を行っています。

しかしショル人自体の人口は少なく、決して演奏家が多いわけではありません。2015年にショルの男性ミュージシャンと知り合いになりましたが、彼はショルではあまり喉歌に人気がないのでトゥバを参考にして広めて行きたいと語っていました。

しかし、最近はショルの音楽文化を継承しようという若者の動きも、少し広がってきているのかもしれません。昨年のミル・シビリではショルの女性のアンサンブル「オット・エネ」を見ることができました。ここでは参加していませんが「オット・エネ」はチュルトゥスもメンバーのはず。メンバーが流動的なのはあちらではよくある話ですが、喉歌を歌っている女性は僕も始めて見たので期待しています。

少し遠くから撮影したので音など良くないですが、YOUTUBEにアップしました。


前述した勇利・アブバチャコフは、来日直後の朝日新聞のインタビューでプロを目指した理由を聞かれ、「民族の栄誉のためだ」と語っています。日本はもとより、ロシアでもショルの人々のことを知っている人は極めて少なく、自分がチャンピオンになれば少しは記憶に留めて貰えると思ったと。(※)

日本の喉歌のファンの間でもまだショルの知名度はトゥバやアルタイ、ハカスに比べても高くは無いと思います。シベリアの文化に関心がある方もショルについて知っている人はそう多くないかもしれません。僕はケメロヴォは通過した程度の滞在経験しかありませんが、ショル語もおそらくほとんど話されなくなっていると思います。

日本においてのショルに関する研究も、等々力政彦さんが何度も調査に訪れていることを知っている程度で、詳しくは僕も知りません。ショル語の研究者とかにも会った事はありません。僕も手元にトゥバで買って来たショルのフォークロアに関する本があるのですが手一杯な状況で読めないままです。シベリアに関心がある若い学生さんなんかが、ショル語の研究とか始めてくれるといいなと思ってるんですが・・・

日本ではまだショルといってもほとんどの方は馴染みが無いでしょうが、彼らの素晴らしい音楽文化を通して、ショルの人々の存在を多くの方に知ってもらえることを願うばかりです。

参考資料 ※日本人の心をつかんだショル人ボクサー 勇利アルバチャコフ/赤坂恒明 

【宣伝コーナー】2/10に西荻窪で私のソロライブと報告会があります。このビデオを撮影したフェスの模様などもお話しますので、関心がある方は是非お越しください。



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by teradaryohei | 2017-01-29 20:31 | シベリア関連 | Comments(0)

北方諸民族の歌と踊り -① ドルガン エネツ エウェンキ ガナサン ネネツ

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2/10に西荻窪の音や金時さんで僕のソロライブと報告会があるので今写真やビデオを整理しているのですが、かなり量があり時間的に見せられないものもたくさんあります。僕のHDで腐らせていても仕方ないかなと思う動画が結構あるので、珍しいものをYOUTUBEに先にアップしました。

この動画はクラスノヤルスク州シューシェンスコエ(レーニンが流刑されていた場所として有名で暮らした家が博物館となっている)で開催された「ミル・シビリ(シベリアの世界)」というフェスティバルで2016年7月に撮影したもので、僕は2012年から見に行っています。音楽と手仕事のフェスでロシア人の比率が高いのですがアジア系の諸民族の参加も多少あり、毎年楽しみにしています。

今年はドルガン、エネツ、エウェンキ、ガナサン、ネネツの人々が参加していて歌や踊りを披露していました。
最初と最後の動画ではドルガンの若者たちの踊り、その他はそれぞれの母語で挨拶し歌を披露してくれています。
エウェンキとネネツ以外は僕も始めて見たので感激でした。

ドルガンの若者たちの踊り。タイミル半島からわざわざ来たそうです。



ドルガン エネツ エウェンキ ガナサン ネネツ それぞれの挨拶と歌が聞けます。





最後は再びドルガンの若者たちの踊り。



今まで7年取りためた、こういった写真や動画が膨大にあり、中には資料として価値があるとものもあるとおもうので、これから機会を見てこういった作業を進めていこうかとおもいます。


ご興味はある方は2/10に音や金時にお越しください。フェスティバルなどのついてもお話できればと思っています。


寺田亮平(トゥバ音楽)
ソロライブ &トゥバ最新レポート

毎年夏の3ヶ月程度トゥバ共和国に滞在している寺田亮平が、写真や映像を交えながら昨年夏のトゥバの模様をレポートします。演奏とレポートの2部構成。トゥバ以外のフェスの模様などもお伝えします。

日時:2月10日 (金) 19:30 ~
会場:音や金時 チャージ2,300円

東京都杉並区西荻北2丁目2−2−14TEL:03-5382-2020   
※予約不要。直接ご来場下さい

フェイスブックのイベントページ



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by teradaryohei | 2017-01-25 18:37 | シベリア関連 | Comments(0)

シベリアを経由して気付いたアイヌ文化の魅力

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このブログは「トゥバ日記」なんですが、最近アイヌ関係のイベントに顔を出したり、手伝ったりする機会が重なり、今回ちょうどいい機会だと思ったので個人的な話ではありますが、シベリア・トゥバの演奏家である僕がどうやってアイヌ文化に関心を持ち、魅了されていったかについて少し書かせていただきたいと思います。

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もともと僕はトゥバに毎年通い始める以前から、いち音楽ファンとしてOKIさんや安東ウメ子さんのCDを良く聞いていました。その後、2010年の夏から毎年3ヶ月トゥバに通うようになり、現地でトゥバ人以外にも、アルタイ、ハカス、ショルと言った周辺の南シベリア諸民族の人々と交流をもつようになります。そしてフェスティバルなどではサハ、ネネツ、エウェンキ、ドルガンといったより北方の人々も目にするようになりました。現地では、学者などからアイヌの人々について質問を受けることもありました。そんな経験を重ねていくうちに、年々アイヌの人たちの存在が気になってくるようになりました。

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トゥバに行く際にはお土産でよくムックリ(鈴木紀美代さん作)を持参していた。トゥバではクルズン・ホムスというムックリに良く似た竹製の口琴がある。写真は口琴職人のトゥバ人オレグさん。ムックリをプレゼントしたところとても喜んでくれた


 シベリアに通い始めた当初はあまりアイヌ文化に関する知識もなかったですし(今でもそんなに無いですが)、なんとなく民族衣装の模様が似てるなとか、口琴や楽器、木工の文化に近いものがあるな、とかそんなことを感じる程度でした。そのうちシベリアから日本に帰国した後、都内で開催されるアイヌ文化フェスティバルやアイヌ感謝祭、中野駅前のチャランケ祭りなどの催しを見に行くようになります。カピウ&アパッポのお2人と知り合うのはそんな頃です。ちょうど2人で活動をはじめた間もない頃で、やはり口琴関係の催しを通して知り合い、茶箱(もともとアイヌ料理店レラ・チセがあった場所)での東京初ライブも見に行きました。

そうするうちにアイヌ関係の本を読み始めるようになりました。
いくつか読むうちに、知里幸恵さんの『アイヌ神謡集』 を手にすることになります。

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美しい序文であまりにも有名なこの本は、左ページがアイヌ語のローマ字表記、右ページは日本語という体裁になっています。この作品に深く感動するとともに、僕はもうひとつ別の印象を持ちました。「これは僕がトゥバを通して知っている口承文芸の世界と同じだ」と思ったのです。

もちろん、アイヌ語は言語学上は孤立語に分類されていますし、テュルク系の言語と系統関係があるわけではありません。僕は学者でもないですし、安易に比較検討したいわけでも無いのです。

ただ、どうしてもそれが、僕が知っているトゥバの四行詩や民話、その他当時少し読むようになっていたテュルクやツングース等のシベリア諸民族の人々のあいだに伝承されてきた口承文芸、及びそれを取り巻く世界像と繋がりがあるような気がしてならなかったのです。

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ですがその後、言語学者の中川裕先生の「アイヌの物語世界」を読み、それは確信のようなものに変わりました。もちろん詩の形式など違います。ただ、たくさん共通する部分があることも判りました。アイヌの英雄叙事詩では主人公が超人のように空を飛びまわり戦い、体を引き裂かれても復活する。それはサハ民族の英雄叙事詩オロンホを彷彿させるものでしたし、何日もかけて語り手が語り続ける、ある種当時の娯楽であっただろう事などはシベリア、及び中央ユーラシアに広く見られる英雄叙事詩と基本的には同じであることが判りました。

その後、萱野茂さん等が収集、記録されたアイヌの昔話なども読み始めるのですが、読んでいくうちに良い意味で裏切られていくような感覚がありました。というのも、今から思うと当時の自分の中にはアイヌと言うと「自然との共生」とか、「支配者がいない」といったような、ある種理想化したイメージを持っていたように思います。しかし様々な物語を読んでいると、主人公は自らの欲のために悪さをして懲らしめられたり、夫婦関係の問題で頭を悩ませたり、血なまぐさい戦争だってやっている。現代に生きている私たちと何ら変わらない、同じ人間であるといった感触を、強く抱くようになったのです。
また最近では、瀬川 拓郎さんがよりグローバルな視点から、交易民としての、海洋民としてのアイヌをダイナミックに描いた著作を何作か発表しており、大変興味深く読んでいます。

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フェスティバル「ミル・シビリ(シベリアの世界)」2016年筆者撮影。シベリアでは、本当にたくさんのアジア系の先住民の人々が今でもロシア人と一緒に暮らしている。彼らは、基本的にアイヌの人々のことを知っている

そのほかにも、まだまだ気になることは沢山あります。
トゥバの文化を学んでいる僕にとっては、アイヌの人々が儀礼の際に使用するイナウはどうしてもオバーに見えてしまうし、イクパスイはトス・カラックに見えてしまいます。熊を大切な動物として捉えるなど本当に共通することが多く、僕ももっとトゥバの資料を読まなければなりません。

アイヌ語には、固有の文字が無かったことで知られています。トゥバや旧ソ連圏の多くのシベリア諸民族も、1930年代~40年代まで文字を持たない人たちでした。テュルクの人々も突厥文字などはあったにせよ、多くの人々は近代まで積極的に文字を採用してこなかったと思います。

こういった人々は、文字を積極的に採用しなかったために(知らなかった訳はない)近代国家の成立の際に遅れをとってしまったというところはあるでしょう。しかし、文字を持たなかった人々は優れた記憶力を持っていたというのは有名な話ですし、何よりだからこそ、これほど豊穣な口承文芸の世界を築きあげてきました。その人たちが育んできたその精神文化に、僕は魅了され続けています。それらの中には、私たち現代人のこころの深い部分に響いてくる、大切な何かが宿っている気がしてならないのです。

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いちばん上の写真は、シベリアの都市、ハバロフスク在住のロシア人画家パヴリーシン(ロシア人民芸術家)が描いたアイヌの少女。パヴリーシンはナナイやウデヘなど、沿海州に暮らすシベリア諸民族を描いた多くの作品を残しているが、その中にはアイヌを描いたものもある。日本版の絵本「デルス・ウザラー」のイラストも担当している。
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by teradaryohei | 2016-11-13 21:57 | トゥバ日記 | Comments(0)

2016 帰国しました

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エキー!(トゥバ語でこんにちは!)

皆様ご無沙汰しておりますお元気でしょうか?
僕は先週トゥバから帰国し、荷物の片付けや雑務に追われていたところです。

今年も様々な人たちにお世話になり、大変充実した滞在をすごすことが出来ました。

毎年3ヶ月程度の夏の滞在も今年で7年目になり、友達の子供とかしばらく見ないうちに本当に大きくなっていて驚いたり、同世代の知人も責任の有る役職につきトゥバを盛り上げるために頑張っているのを見たりして、なかなかに時間の流れを感じます。それと同時に「リョーヘイは夏になれば毎年いる」のが当たり前になってきているので良くも悪くも珍しくなく、滅茶苦茶に連れ回されること(これは彼ら流のもてなしだったりする)が減ってきたのは落ち着けて嬉しくもありちょっと寂しい所でもあります。

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さて、今年の個人的な反省は、ちょっとトゥバ語が勉強不足だったことです。
というか日本での学習がロシア語中心になってしまい、以前に比べてロシア語が理解できるようになってきたので相対的にロシア語で話す機会が増え、トゥバ語でやり取りする機会が落ちて、中途半端なチャンポンになってしまっていました。

しかし難しいところで、都市部に住むトゥバ人はロシア語を母語のように話す人は多く、一度の会話に中でもトゥバ語とロシア語を頻繁に切り替えながら話すことも多い。むしろチャンポンがデフォルトと言っていいくらいです。トゥバ語も動詞だけロシア語を使用したりトゥバ語の中にロシア語が混ざってしまう状況が問題視されており、僕も「こうやって言語が薄くなっていくのか」と最近身をもって感じています。

トゥバはロシア連邦の中でも高い母語の保有率を誇りますが、それでも若年層を中心にロシア語化は進んでいますし、古いトゥバ語、難しいトゥバ語を知らない人は増えていて統計では現れないところで、前述のように「薄く」なってしまっています。

ただ、正直ロシア語が出来なければあらゆる情報にアクセスできません。多くの書籍やインターネット上の情報はロシア語で、将来の教育を考えるとトゥバ人の親御さんもお子さんにロシア語を勉強させる状況は仕方が無く、非常に難しい問題だと感じます。

 僕自身は、トゥバ語を多少話す外国人です。トゥバ語を話せないトゥバの若者たちに出会う機会が結構ありますが、驚かれます。そして普段ロシア語しか話さない若者も、がんばってトゥバ語で話し始めたりするケースを何度も真にあたりにしました。僕は別に学者ではなくただのミュージシャンですが、外国人である自分がトゥバ語を勉強することは影響力が大きく、それだけで彼らの力になれる部分もあるのではないかという気がしています。
 とはいえ、トゥバ語の教材は非常に少ないため独学が難しく、ロシア語が出来れば非常に便利で様々な情報にアクセスできるので非常に悩ましいところです。・・・まあ自分の選んだ道だし音楽やりながらも楽しみながら、地道に語学はやっていくしかないかなと、最近改めてそんなことを思っている次第です。

上の写真は友達の楽器職人の家で、彼の子供と一緒に。フレットつきのドシプルールを、魚の皮で作ってもらいました。
下の写真はトゥバクズのメンバーと。今年はトゥバ人民共和国設立から数えて95周年でフェスティバルがありました。
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by teradaryohei | 2016-09-21 01:03 | トゥバ日記 | Comments(1)

NHK「ちきゅうラジオ」に出演しました

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昨日3/5に出演したNHK「ちきゅうラジオ」今週いっぱいアーカイブで聞くことが出来ます。

こちらのリンクから「前回の放送を聞く」→3月5日午後5時台をクリック。
僕の出番は00:25頃からの「地球人バンザイ」コーナーです。

 今聞きなおしてみるとやはり緊張していて声とか震えています笑
さすがに普通にNHKのアナウンサーの方お二人を前に緊張しました。
が、お二人とスタッフの皆さんのおかげでとても良い内容になったと思います。内容もおおむね好評だったようでひとまず胸を撫で下ろしているところです。
 これでトゥバに関心が増える方が少しでも増えるといいんですが。感想も聞いてみたいところです。

番組内で2曲演奏していますので僕の演奏を聞いたことがない方も是非お時間がありましたら聞いてみてください。

(追記)
ラジオ出演後「放送後記」でパーソナリティーのお二人からコメントを頂いていました。ありがたい・・・・ 
古谷アナウンサーはEテレで「にっぽんの芸能」を担当されているということで、事前の打ち合わせ時に色々と質問を受け、中央ユーラシアの叙事詩語り文化の話を少ししたところ大変興味をもってくださったようでした。
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3月5日(土)放送後記
古谷敏郎アナウンサー

トゥバ共和国伝統音楽演奏家の寺田亮平さん。
ずっと関心のあった歌唱法「ホーメイ」。
初めてライブで、それも1メートル50センチの至近で!堪能しました。
表現不足でしたが、
実はあのとき、寺田さんは唇を小刻みに動かしているのです。
さらに、口の内部では舌を動かしたり容積を変化させたり、
実に複雑な技が繰り広げられてるんだそうです。
あのドスの利いた独特の歌唱は、「平家物語」を語った琵琶法師(九州在住の最後の琵琶法師の演奏を聴いたことがあります)
さらに浪花節!「浪曲」の語りを思い出します。

いま、見よう見まねでそれをやる人が増えているそうですが、
仕事をやめて、本場トゥバに行ってしまうところが寺田さんのスゴイところです!

柴原紅

スタジオゲストは
ロシアのトゥバ共和国の伝統音楽家、寺田亮平さん。
のどを鳴らす“ホ―メイ”の歌声、驚きましたね!!
ラジオを聞いていたネコが反応した、というメールが届きましたが
確かに、野獣のような、時に鳥のような音色を声で表現してくださいました。
トゥバ共和国には行ったこともなく、イメージもあまりないのですが、
寺田さんの演奏と歌声から、
きっとあるであろう、草原や動物たちの様子が浮かんできました。
現地に毎年夏に渡ってらっしゃる修業のたまものですよね。

これからも、異国の伝統や文化、人々の暮らしを音楽を通してたくさんの人に
届けてくださいね(^v^)
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by teradaryohei | 2016-03-06 22:04 | Comments(0)

2015帰国しました

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エキー!(トゥバ語でこんにちは!) 
ブログには久々の投稿です。

今年も6月~8月末までトゥバに滞在してきました。今年は例年より短めでしたが実り多い滞在となりました。

 毎年3ヶ月トゥバに通うようになって今年で6年目になります。

 同世代のミュージシャンも責任ある役職につき、トゥバの音楽文化の中で中核を担うようになったり、まだあどけない子供だった知人が立派な青年歌手に成長したりして、それなりに時間の流れを感じます。

 一方で僕自分に目を向けると、改めて学ぶことの多さ、自分の未熟さに呆然とします。そして日本で十分に活動しているともまだまだ言えません。日本でも自分に出来ることをひとつひとつ積み上げて行きたいところです。

 と、まあそんな感じなので今後とも何かと、ご協力よろしくお願いします。
 僕の活動に関心を持っていただける方、是非気軽に声をかけていただければ嬉しいです。
 そして是非一度コンサートやイベントに遊びに来てみてください。

 
 写真はトゥバ西部のタイガ、マンチュレックに滞在したときのもの。
 トゥバの伝統的なお酒「アラガ」を造っています。

 


★最近ブログの投稿が滞りがちでフェイスブックの方がマメに更新しています。
 もしよろしければこちらから僕のページもチェックしてみてください。
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by teradaryohei | 2015-08-29 16:13 | トゥバ日記 | Comments(0)


トゥバ音楽演奏家の寺田亮平のブログ。ロシア連邦トゥバ共和国の現地情報、社会、文化、ミュージシャンなど紹介します     dtxmain[at]gmail.com


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