>

タグ:ライブ情報 ( 32 ) タグの人気記事

トゥバの音楽とインドの笛と

a0213796_21274380.jpg


日本を代表する北インド古典音楽の演奏家でバーンスリー奏者、寺原太郎さんと光栄にも再びご一緒させていただきます。

何度か競演の経験をを重ねさせていただき、コンビネーションもぐっと良くなりました。より深みのある演奏をお聞かせできるかと思います。

僕もこのコンサートでは色々と新しいチャレンジが出来るよう準備しています。是非気軽にお越しください。

----------------------------------------------------------------

トゥバの音楽とインドの笛と


トゥバ音楽の演奏家寺田亮平氏とインド音楽バーンスリー奏者寺原太郎の「てらてらコンビ」で醸す摩訶不思議な音楽の旅。


【出演】寺原太郎(バーンスリー)、寺田亮平(イギル、ドシプルール、ホムス、喉歌他)

【日時】5月26日(金)18:30open19:30start

【参加費】2,500

【会場】音や金時 杉並区西荻北2-2-14喜志コーポB1 TEL:03-5382-2020

ご予約は受けておりませんので直接ご来場下さい。


[PR]
by teradaryohei | 2017-05-05 21:33 | ライブ情報 | Comments(0)

テュルクとペルシアの音楽~カザフ・クルグズ・トゥバ・イラン

---------------------------------------------------
チラシのPDFはこちらからダウンロードできます
フェイスブックのイベントページはこちら
大学などの教育機関・店舗などでチラシの配布・掲示にご協力いただける方がいらっしゃいましたら chuuou.asia@gmail.com までご一報ください。チラシを必要分郵送いたします。
---------------------------------------------------

a0213796_20425559.jpg
a0213796_20431814.jpg

テュルクとペルシアの音楽~カザフ・クルグズ・トゥバ・イラン

出 演
イナーラ・セリクパエバ (カザフスタン)
ウメトバエワ・カリマン (クルグズ)
慶九 (イラン)
蔡怜雄 (イラン)
高橋直己 (カザフスタン)
寺田亮平 (トゥバ)

日 時
201
7618日(

1
300分開場 1330分開演(昼間のコンサートです!)
16時頃終演予定 

チケット
予約:3000(100席限定)
当日:3500円(予約で100席満席の場合当日券なし)                         
学割 予約2500円/当日3000円(予約・当日とも受付で学生証掲示)
チャイルド割 15歳までのお子様(予約1500/当日2000円)

予約ご希望の方は
  chuuou.asia@gmail.com
 まで
お名前、予約人数(お連れ様のお名前)、連絡先
をご記入のうえメールにてお知らせください。ご予約の方優先でご入場できます。
(窓口は会場の驢馬駱駝様ではなくこちらのメールになります。質問などもこちらへお願いします。)お電話ご希望の方は070-6655-4479(寺田)まで。出れない場合折り返しご連絡いたします。
小さなお子様もご来場になるコンサートです。ご来場の皆様にはご理解・ご協力頂けますようお願い申し上げます。

会 場
驢馬駱駝ろまらくだ
東京都中野区東中野2-25-6PAO 9F
http://www.paoco.jp/roma/

出 店 
MAYRAM&NovvoyxonaSHER(ウズベク&クルグズ雑貨・食品)
サラーム・サラーム(イランの絵本・雑貨)

〈主催〉コンサート「テュルクとペルシアの音楽」実行委員会 連絡先:070-6655-4479(寺田)

------------------------------------------------------------------------------

KAZAKH KYRGYZ TUVA IRAN ~ 中央アジア+イラン
テュルクとペルシアの音楽

 ユーラシア大陸の内陸地帯は古くから多種多様な人々が暮らし、交流しながら独特の文化を育んできました。駱駝の隊商をイメージさせるオアシス地帯での交易や、刺繍、絨毯、焼き物などの工芸。長い牧畜、遊牧生活の中から育まれてきた民族文化。そしてロマン溢れるシルクロードの歴史などに、今まで多くの日本人が魅了されてきました。中央アジアと呼ばれる地域には言語的にはテュルク系民族(※)が多く暮らしていますが、タジク語はイラン系の言語で、言語的にも、文化的にも、そして音楽的にも、中央ユーラシアではペルシアの影響が広く見られます。本コンサートでは、そんな中央ユーラシアに広がる、テュルクとペルシアの伝統的な音楽演奏を通して、その多様かつ豊かな音楽世界をお楽しみいただければと思っています。会場は屋上に天幕のある驢馬駱駝ろまらくだ。音楽以外にも会場装飾や出店など、現地の文化を感じてもらえる工夫を凝らしています。是非お気軽にユーラシアへの旅に東中野までお越しください。


中央アジアというとカザフスタン、クルグズ、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの5カ国を指すことが現在では一般的ですが、広義の意味においては中国の新疆ウイグル自治区、モンゴル高原、ロシアのシベリア南部なども含んでおり、地理区分もいくつか定義が異なります。この連続コンサートでは中央アジア5カ国を中心に、共通した文化を持つ周辺地域の音楽も紹介できればと考えています。

テュルクとは?
歴史的に中央ユーラシアでは、突厥(とっけつ)などの騎馬遊牧民族が興亡を繰り返してきました。彼らの居住領域は中央アジアを中心にシベリアからアナトリア半島にいたるまで広がっており、テュルク諸語と呼ばれる同一系統の言葉を話します。テュルク諸語を母語とする人々のことをテュルク系民族といいます。


出演者プロフィール


a0213796_21065219.jpg


イナーラ・セリクパエバ Inara Serikpaeva
ドンブラ演奏家。カザフスタン共和国首都アスタナ市出身。国立ユーラシア大学音楽学部(現アスタナ音楽アカデミー)卒業後、都立民族楽器オーケストラや同アンサンブル「シャルクマ」にソリストの一人として所属。先代ローマ法王ヨハネパウロ2世はじめ、同国を訪れた国賓の歓迎式典などで活躍する。2009年から拠点を日本に移し関西を中心にコンサートなどで活動中。


a0213796_20540761.jpg

ウメトバエワ・カリマン Umetbaeva Kalyiman 
クルグズ共和国ビシケク生まれ。クルグズ国立音楽大学で民族音楽を専攻。卒業後、音楽教師としてビシケク第65番学校で子供たちにコムズなどの民族楽器を教えていた。その後、ビシケク日本センターで日本語を学ぶ。2007年、東京芸術大学音楽研究科入学。2008年、東京芸術大学の修士課程に入学。2010年、修士課程を卒業、東京芸術大学博士課程に入学。3弦楽器のコムズ、金属口琴、木製口琴の楽器の演奏家。


a0213796_20545615.jpg

高橋直己 Takahashi Naoki
中央アジア遊牧文化圏の民謡研究者・同歌手。2002年より中央アジアへ渡り、カザフスタン共和国を中心に民族音楽の研修を積む。現地ではヌルジャン・ジャンペイソフ(カザフスタン文化功労叙勲者)にカザフ民謡を師事し、100曲あまりの伝統歌謡を習得。2006年カザフスタン共和国の「民族芸術家ダニェシ・ラクシェフ記念共和国歌手コンクール」で1位入賞。現在イナーラ・セリクパエバとともに、カザフ伝統音楽の紹介に努めている。


a0213796_20551373.jpg

慶九 Keiku

2007年イランへ語学留学。8年半のイラン滞在の間、音楽と詩を通してイランの文化に触れる。2008年~2014年、イラン教育庁奨学金給付生としてテヘラン国立芸術大学・イラン音楽演奏科で学び、20159月帰国。セタールとタンブールの奏法を主にラアナーイー・ファミリーに師事し、本グループの演奏メンバーとして、2011年の日本ツアー、2016年春のヨーロッパツアーにも参加。


a0213796_20552596.jpg

蔡怜雄 Sai Leo

日本、台湾、アメリカのクォーター。幼少より世界の音楽、文化に興味を持ち育つ。大学時代トンバクやダフの繊細な表現、音色の豊かさ、楽器の美しさに惹かれてペルシャの打楽器奏者に。2012年にバークリー音楽大学を卒業、ペイマン・ナセプール氏らからペルシャの打楽器演奏を学ぶ。ボストンではペルシ音楽のグループに参加し各地で演奏する。帰国後はペルシ音楽、ヨーロッパ中世古楽を中心に様々なジャンルの奏者と活動中。



a0213796_20554771.jpg

寺田亮平 Terada Ryohei
トゥバ音楽演奏家・喉歌歌手。1999年より喉歌を習い始め、2010年よりトゥバと日本を往復しながら現地での滞在修行を続けている。喉歌、トゥバ語による伝統的な歌の他、伝統楽器イギル、ドシプルールなどを演奏する。師匠はモングンオール・オンダ−ル他。国際シンポジウム他現地で受賞暦多数。現地ではトゥバの伝統的な歌の聞き取りや翻訳作業、トゥバ各地方での撮影等フィールドワークを行う他、日本国内では中央アジア、シベリア関係のコンサートや各種イベントも自身で手がけている。本コンサートの主催者。


a0213796_20560530.jpg

【カザフのドンブラについて
古来、生活の一部として広く愛用されきた爪弾く楽器。大別してマンドリンのような丸い胴と舟形の角ばった胴の2種類があり、細く長いネックに2本の弦を張る。モンゴル~シベリア~イランまで近縁の2弦の楽器が広く分布する中、カザフのドンブラは独奏曲が高度に発達しており、思索や哲学的表現の手段となっている。また民謡や叙事詩語り、即興詩の朗誦など歌謡の伴奏にも欠かせない、カザフの文化を代表する楽器である。


a0213796_20561749.jpg

【クルグズのコムズについて】
クルグズの楽器で、海外でも最もよく知られているのが、三弦楽器のコムズ。木製でオールのような形状をもつコムズは、かつては独奏楽器として演奏されるのが主だったが、現在はアンサンブルやオーケストラ、歌の伴奏やポップス音楽などで幅広く使用されており、キルギスの音楽では欠かせない楽器の一つとなっている。かつては即興演奏が主で、口頭で伝えられていたコムズの曲が、現在では児童音楽学校、専門音楽学校など、さまざまな音楽機関で楽譜を使いながら伝承されている場合が最も多い。楽器を演奏する時の右手のパフォーマンスが非常に派手であり、これがコムズを演奏する際の大変顕著な特徴の一つとなっている。


a0213796_20563054.jpg

【イランのセタールについて】

セタールはイランの代表的な撥弦楽器の一つで、人差し指の爪で細かく上下に震わせるようにして弦をはじく。ボディには桑や胡桃、竿の部分にはもっぱら固い胡桃の木が使われている。真鍮と銅の弦が張られ、羊の腸を乾燥させたフレットが用いられる。


a0213796_20581089.jpg

【トゥバのイギルについて】
トゥバに伝わる伝統的な2弦の擦弦楽器。一般的には一本の木から出来ており、スプーン状にくりぬかれたボディに動物の皮を張り、弓で弾いて演奏する。近年のものはヘッドに馬の彫刻が見られる。弦はもともとは馬の尻尾であったが、現在では長さ、強度の問題などでナイロン弦が一般的である。モンゴルの馬頭琴とは弦の張り方が逆であり、調律も異なる。


a0213796_20583489.jpg

【カザフスタンとカザフの音楽】
カザフ人は15世紀以降中央アジアの最大勢力となった遊牧騎馬民族で、カザフスタン共和国を中心に中国、モンゴル、ロシアにも多く居住している。現在のカザフスタンはソ連の解体に伴い1991年に独立した国家で、世界第9位の広大な国土(約270万㎢)に豊富な鉱物資源を持つ。特に石油やウランの産出国として経済発展が目覚しい。またバイコヌール宇宙基地が所在するほか、セミパラチンスク市近郊など旧ソ連の核実験場があったことでも知られる。カザフ人は古来ドンブラを愛好し、現在でも民族文化のシンボルの一つとなっている。ドンブラの演奏はカザフ人の思索の表現であり、その音色は言葉以上に弾く人の思いを伝えるものとされ、「真のカザフはドンブラ」という格言もある。その普及率も高く、大概の家庭にドンブラが見られるほどである。この20年は民族と国家のアイデンティティが強く求められる中で文芸復興が進み、かつてはシャーマンの祭具であった弓奏楽器コブズ、箏ジェティゲンなどの演奏家も増えている。カザフの音楽は古典の継承だけでなく、演奏者によって常に新しい表現が模索されており、伝承曲の現代的な解釈や、民謡のポップスアレンジなども一般に親しまれている。


a0213796_20585233.jpg

【クルグズとクルグズの音楽】
天山山脈とパミール・アライ山脈に沿うように位置するクルグズは「山の国」である。「キルギス」という名称はソ連時代に用いられたロシア語の発音であり、正式にはクルグズ(Kyrgyz,Кыргыз)、またはクルグズ共和国。東は中国(新彊ウイグル自治区)、北東はカザフスタン、南西はタジキスタン、西はウズベキスタンに隣接している。面積は198,500㎢(日本の半分)、人口は519万人(2006年クルグズ統計)、首都はビシケク。遊牧民であったクルグズ人は、家畜の放牧地が痩せると一つの場所から他の所へ移動していた。平地で遊牧をするカザフ人やトルクメン人は水平方向に向かって移動していたが、クルグズ人は山の麓から頂上まで、つまり垂直移動で遊牧していたという。また狩猟も重要であった。このような厳しい自然と生活がクルグズの音楽と楽器に大きな影響を与えてきたといえる。頻繁な移動を行う遊牧の生活では、物をなるべく軽く、小さく、そして持ち運び易くする必要がある。険しい山岳地帯の暮らしでは人々の交流が困難だったため、演奏会は少人数で行われるのが普通であった。楽器の奏法は即興的であり、独奏で行われる場合が殆どで、音も大きくないため、個人で楽しむために演奏をすることもあったようだ。


a0213796_20592922.jpg

【イランとペルシア音楽について

時に朗々と哀愁たっぷり、時に草原を駆け抜けるような躍動感、そしてエキゾチックな微分音の響きで魅了する、イランの伝統音楽。イラン国外では「ペルシア音楽」とも言われ、周辺国の伝統音楽にも関連性が見られることから、かつて栄えたペルシア帝国(BC550-AD651)の栄華を彷彿とさせる。(厳密には、ペルシア帝国衰退後も徐々に変化を遂げ、拡散し、各地で個性化したと言えよう。)現代のペルシア音楽は、ガージャール朝末期(19世紀後半)の宮廷楽士や軍楽隊の司令官によって基礎が整えられたもので、西洋の記譜法が導入され、アカデミックに体系づけられた。そして「ラディーフ」と言われる、旋律やリズム、小曲のひな型集も作られるようになった。これには、ペルシア時代に奏でられていたとされる旋律、いくつかの宗教の祈りの旋律も含まれ、各地方の伝統音楽の要素も取り入れられている。音楽家は、まるでストーリーを展開するように、このひな型を即興的にアレンジし、ひとつの作品を完成させる。この即興性が、ペルシア音楽の醍醐味でもある。


a0213796_20595184.jpg

【トゥバとトゥバの音楽】
トゥバはアジアの中央部、シベリア南部に位置する共和国。ロシア連邦に属する。人口約30万人。首都はクズル。面積は171500(北海道二つ分ほど)。住民の約8割がトゥバ人。公用語はトゥバ語とロシア語。トゥバ語はテュルク語系の言語。宗教はシャマニズムとチベット仏教が盛んである。主な産業は畜産、鉱工業など。山岳地帯、森林、草原、砂漠など自然に変化が富んでおり、羊、トナカイ、ヤク、ラクダなどユーラシア大陸のすべての遊牧形態を見ることができる。現在も遊牧は盛んであるが街に定住しているトゥバ人も多い。トゥバは小さな共和国であるがその音楽世界は多様である。中でも喉歌フーメイ(хөөмей)が有名で、似たような発声での喉歌がトゥバ以外にもハカス、モンゴル国西部などアルタイ山脈周辺地域に見られるがその起源ははっきりしていない。元々はソロパフォーマンスが主体であったが1980年代以降舞台化が進み数多くのアンサンブルが生まれた。また多くの民族楽器があり口琴も盛んに演奏されている。現在のトゥバはフンフルトゥなど世界的なグループの活躍や伝統音楽のオーケストラの設立、ポップスやロックも盛んであり、音楽的に大変に充実した時期を迎えている。

出 店

a0213796_21002113.jpg

MAYRAM&NovvoyxonaSHER / ウズベク&クルグズ雑貨・食品

ウズベキスタン食器・雑貨そしてクルグズの雑貨も扱MAYRAMと、日本で唯一中央アジアの主食ノンやサムサを本格炭火焼しているNovvoyxonaSHERが出店いたします。


a0213796_22044352.jpg

サラーム・サラーム / イランの絵本・雑貨

イランの絵本のお店、サラーム・サラームでは、イランの絵本ほか小物等雑貨を販売します。



[PR]
by teradaryohei | 2017-04-04 21:24 | ライブ情報 | Comments(0)

北方諸民族の歌と踊り - ② ショル民族の音楽

a0213796_20292751.jpg

トゥバ共和国の北西部にはハカス共和国が隣接していますが、ハカスから西に隣接するケメロヴォ州にはショルと呼ばれる人々が住んでいます。テュルク系のショル語を話し、2010年調査で約13000人という数字があります。

往年のボクシングファンの方なら、ユーリ海老原(勇利アルバチャコフ)を覚えていらっしゃるでしょう。彼はケメロヴォ州の家が7件しかないという集落出身のショル人です。

ショルには、トゥバやアルタイ、ハカスと同じように、喉歌の音楽文化があります。その音楽文化を一身に背負っているといっても過言ではない、代表的な歌手がチュルトゥス・タンナガシェヴァでしょう。



僕はもともとチュルトゥスの大ファンだったのですが2015年にトゥバの友人を介して知り合いになり、現地で同じイベントに出演したこともあります。彼女は複数のテュルク系言語に通じておりトゥバ語でも多少会話することができました。特にトルコ語は上手いらしく大変知的で聡明なミュージシャンです。彼女はテュルク世界ではショルを代表する歌手として幅広い演奏活動を行っています。

しかしショル人自体の人口は少なく、決して演奏家が多いわけではありません。2015年にショルの男性ミュージシャンと知り合いになりましたが、彼はショルではあまり喉歌に人気がないのでトゥバを参考にして広めて行きたいと語っていました。

しかし、最近はショルの音楽文化を継承しようという若者の動きも、少し広がってきているのかもしれません。昨年のミル・シビリではショルの女性のアンサンブル「オット・エネ」を見ることができました。ここでは参加していませんが「オット・エネ」はチュルトゥスもメンバーのはず。メンバーが流動的なのはあちらではよくある話ですが、喉歌を歌っている女性は僕も始めて見たので期待しています。

少し遠くから撮影したので音など良くないですが、YOUTUBEにアップしました。


前述した勇利・アブバチャコフは、来日直後の朝日新聞のインタビューでプロを目指した理由を聞かれ、「民族の栄誉のためだ」と語っています。日本はもとより、ロシアでもショルの人々のことを知っている人は極めて少なく、自分がチャンピオンになれば少しは記憶に留めて貰えると思ったと。(※)

日本の喉歌のファンの間でもまだショルの知名度はトゥバやアルタイ、ハカスに比べても高くは無いと思います。シベリアの文化に関心がある方もショルについて知っている人はそう多くないかもしれません。僕はケメロヴォは通過した程度の滞在経験しかありませんが、ショル語もおそらくほとんど話されなくなっていると思います。

日本においてのショルに関する研究も、等々力政彦さんが何度も調査に訪れていることを知っている程度で、詳しくは僕も知りません。ショル語の研究者とかにも会った事はありません。僕も手元にトゥバで買って来たショルのフォークロアに関する本があるのですが手一杯な状況で読めないままです。シベリアに関心がある若い学生さんなんかが、ショル語の研究とか始めてくれるといいなと思ってるんですが・・・

日本ではまだショルといってもほとんどの方は馴染みが無いでしょうが、彼らの素晴らしい音楽文化を通して、ショルの人々の存在を多くの方に知ってもらえることを願うばかりです。

参考資料 ※日本人の心をつかんだショル人ボクサー 勇利アルバチャコフ/赤坂恒明 

【宣伝コーナー】2/10に西荻窪で私のソロライブと報告会があります。このビデオを撮影したフェスの模様などもお話しますので、関心がある方は是非お越しください。



[PR]
by teradaryohei | 2017-01-29 20:31 | シベリア関連 | Comments(0)

北方諸民族の歌と踊り -① ドルガン エネツ エウェンキ ガナサン ネネツ

a0213796_14063290.jpg
2/10に西荻窪の音や金時さんで僕のソロライブと報告会があるので今写真やビデオを整理しているのですが、かなり量があり時間的に見せられないものもたくさんあります。僕のHDで腐らせていても仕方ないかなと思う動画が結構あるので、珍しいものをYOUTUBEに先にアップしました。

この動画はクラスノヤルスク州シューシェンスコエ(レーニンが流刑されていた場所として有名で暮らした家が博物館となっている)で開催された「ミル・シビリ(シベリアの世界)」というフェスティバルで2016年7月に撮影したもので、僕は2012年から見に行っています。音楽と手仕事のフェスでロシア人の比率が高いのですがアジア系の諸民族の参加も多少あり、毎年楽しみにしています。

今年はドルガン、エネツ、エウェンキ、ガナサン、ネネツの人々が参加していて歌や踊りを披露していました。
最初と最後の動画ではドルガンの若者たちの踊り、その他はそれぞれの母語で挨拶し歌を披露してくれています。
エウェンキとネネツ以外は僕も始めて見たので感激でした。

ドルガンの若者たちの踊り。タイミル半島からわざわざ来たそうです。



ドルガン エネツ エウェンキ ガナサン ネネツ それぞれの挨拶と歌が聞けます。





最後は再びドルガンの若者たちの踊り。



今まで7年取りためた、こういった写真や動画が膨大にあり、中には資料として価値があるとものもあるとおもうので、これから機会を見てこういった作業を進めていこうかとおもいます。


ご興味はある方は2/10に音や金時にお越しください。フェスティバルなどのついてもお話できればと思っています。


寺田亮平(トゥバ音楽)
ソロライブ &トゥバ最新レポート

毎年夏の3ヶ月程度トゥバ共和国に滞在している寺田亮平が、写真や映像を交えながら昨年夏のトゥバの模様をレポートします。演奏とレポートの2部構成。トゥバ以外のフェスの模様などもお伝えします。

日時:2月10日 (金) 19:30 ~
会場:音や金時 チャージ2,300円

東京都杉並区西荻北2丁目2−2−14TEL:03-5382-2020   
※予約不要。直接ご来場下さい

フェイスブックのイベントページ



[PR]
by teradaryohei | 2017-01-25 18:37 | シベリア関連 | Comments(0)

ソロライブ & トゥバ最新レポート @音や金時

a0213796_22421041.jpg


2/10に音や金時さんでライブのオファーを受け、何をやろうか色々と考えたんですが、「今年トゥバでどんなところに行ったのか話を聞きたい」というリクエストが結構あったので、プロジェクターで写真や動画を見ながらちょっとした報告会をやろうと思います。ただ老舗のライブハウスで音も良いですので演奏もします。ソロライブ兼報告会、という感じです。

トゥバ共和国内で色々な場所に滞在した様子や、共和国外で滞在したフェスティバルの模様などもお見せできると思います。日本人は僕以外誰も到達してない場所とかもあると思うので、結構貴重な報告になると思います。

写真やビデオは膨大にあるのでいくらでも話せますが、コンパクトにまとめて報告できれば。ソロの演奏もせっかくの機会なので普段やらないようなことを出来ればいろいろやってみたいと思っています。

音や金時さんはおいしいネパール料理やお酒も楽しめます。気軽に遊びに来てください。

----------------------------------------------------
寺田亮平(トゥバ音楽)
ソロライブ &トゥバ最新レポート

毎年夏の3ヶ月程度トゥバ共和国に滞在している寺田亮平が、写真や映像を交えながら昨年夏のトゥバの模様をレポートします。演奏とレポートの2部構成。トゥバ以外のフェスの模様などもお伝えします。

日時:2月10日 (金) 19:30 ~
会場:音や金時 チャージ2,300円

東京都杉並区西荻北2丁目2−2−14TEL:03-5382-2020   
※予約不要。直接ご来場下さい
[PR]
by teradaryohei | 2017-01-06 22:44 | ライブ情報 | Comments(0)

シベリアを経由して気付いたアイヌ文化の魅力

a0213796_21404122.jpg


このブログは「トゥバ日記」なんですが、最近アイヌ関係のイベントに顔を出したり、手伝ったりする機会が重なり、今回ちょうどいい機会だと思ったので個人的な話ではありますが、シベリア・トゥバの演奏家である僕がどうやってアイヌ文化に関心を持ち、魅了されていったかについて少し書かせていただきたいと思います。

-----------------------------------------------------------------

もともと僕はトゥバに毎年通い始める以前から、いち音楽ファンとしてOKIさんや安東ウメ子さんのCDを良く聞いていました。その後、2010年の夏から毎年3ヶ月トゥバに通うようになり、現地でトゥバ人以外にも、アルタイ、ハカス、ショルと言った周辺の南シベリア諸民族の人々と交流をもつようになります。そしてフェスティバルなどではサハ、ネネツ、エウェンキ、ドルガンといったより北方の人々も目にするようになりました。現地では、学者などからアイヌの人々について質問を受けることもありました。そんな経験を重ねていくうちに、年々アイヌの人たちの存在が気になってくるようになりました。

a0213796_2143961.jpg

トゥバに行く際にはお土産でよくムックリ(鈴木紀美代さん作)を持参していた。トゥバではクルズン・ホムスというムックリに良く似た竹製の口琴がある。写真は口琴職人のトゥバ人オレグさん。ムックリをプレゼントしたところとても喜んでくれた


 シベリアに通い始めた当初はあまりアイヌ文化に関する知識もなかったですし(今でもそんなに無いですが)、なんとなく民族衣装の模様が似てるなとか、口琴や楽器、木工の文化に近いものがあるな、とかそんなことを感じる程度でした。そのうちシベリアから日本に帰国した後、都内で開催されるアイヌ文化フェスティバルやアイヌ感謝祭、中野駅前のチャランケ祭りなどの催しを見に行くようになります。カピウ&アパッポのお2人と知り合うのはそんな頃です。ちょうど2人で活動をはじめた間もない頃で、やはり口琴関係の催しを通して知り合い、茶箱(もともとアイヌ料理店レラ・チセがあった場所)での東京初ライブも見に行きました。

そうするうちにアイヌ関係の本を読み始めるようになりました。
いくつか読むうちに、知里幸恵さんの『アイヌ神謡集』 を手にすることになります。

a0213796_2144176.jpg


美しい序文であまりにも有名なこの本は、左ページがアイヌ語のローマ字表記、右ページは日本語という体裁になっています。この作品に深く感動するとともに、僕はもうひとつ別の印象を持ちました。「これは僕がトゥバを通して知っている口承文芸の世界と同じだ」と思ったのです。

もちろん、アイヌ語は言語学上は孤立語に分類されていますし、テュルク系の言語と系統関係があるわけではありません。僕は学者でもないですし、安易に比較検討したいわけでも無いのです。

ただ、どうしてもそれが、僕が知っているトゥバの四行詩や民話、その他当時少し読むようになっていたテュルクやツングース等のシベリア諸民族の人々のあいだに伝承されてきた口承文芸、及びそれを取り巻く世界像と繋がりがあるような気がしてならなかったのです。

a0213796_21451969.jpg


ですがその後、言語学者の中川裕先生の「アイヌの物語世界」を読み、それは確信のようなものに変わりました。もちろん詩の形式など違います。ただ、たくさん共通する部分があることも判りました。アイヌの英雄叙事詩では主人公が超人のように空を飛びまわり戦い、体を引き裂かれても復活する。それはサハ民族の英雄叙事詩オロンホを彷彿させるものでしたし、何日もかけて語り手が語り続ける、ある種当時の娯楽であっただろう事などはシベリア、及び中央ユーラシアに広く見られる英雄叙事詩と基本的には同じであることが判りました。

その後、萱野茂さん等が収集、記録されたアイヌの昔話なども読み始めるのですが、読んでいくうちに良い意味で裏切られていくような感覚がありました。というのも、今から思うと当時の自分の中にはアイヌと言うと「自然との共生」とか、「支配者がいない」といったような、ある種理想化したイメージを持っていたように思います。しかし様々な物語を読んでいると、主人公は自らの欲のために悪さをして懲らしめられたり、夫婦関係の問題で頭を悩ませたり、血なまぐさい戦争だってやっている。現代に生きている私たちと何ら変わらない、同じ人間であるといった感触を、強く抱くようになったのです。
また最近では、瀬川 拓郎さんがよりグローバルな視点から、交易民としての、海洋民としてのアイヌをダイナミックに描いた著作を何作か発表しており、大変興味深く読んでいます。

a0213796_21464129.jpg

フェスティバル「ミル・シビリ(シベリアの世界)」2016年筆者撮影。シベリアでは、本当にたくさんのアジア系の先住民の人々が今でもロシア人と一緒に暮らしている。彼らは、基本的にアイヌの人々のことを知っている

そのほかにも、まだまだ気になることは沢山あります。
トゥバの文化を学んでいる僕にとっては、アイヌの人々が儀礼の際に使用するイナウはどうしてもオバーに見えてしまうし、イクパスイはトス・カラックに見えてしまいます。熊を大切な動物として捉えるなど本当に共通することが多く、僕ももっとトゥバの資料を読まなければなりません。

アイヌ語には、固有の文字が無かったことで知られています。トゥバや旧ソ連圏の多くのシベリア諸民族も、1930年代~40年代まで文字を持たない人たちでした。テュルクの人々も突厥文字などはあったにせよ、多くの人々は近代まで積極的に文字を採用してこなかったと思います。

こういった人々は、文字を積極的に採用しなかったために(知らなかった訳はない)近代国家の成立の際に遅れをとってしまったというところはあるでしょう。しかし、文字を持たなかった人々は優れた記憶力を持っていたというのは有名な話ですし、何よりだからこそ、これほど豊穣な口承文芸の世界を築きあげてきました。その人たちが育んできたその精神文化に、僕は魅了され続けています。それらの中には、私たち現代人のこころの深い部分に響いてくる、大切な何かが宿っている気がしてならないのです。

-------------------------------------------------------------------
いちばん上の写真は、シベリアの都市、ハバロフスク在住のロシア人画家パヴリーシン(ロシア人民芸術家)が描いたアイヌの少女。パヴリーシンはナナイやウデヘなど、沿海州に暮らすシベリア諸民族を描いた多くの作品を残しているが、その中にはアイヌを描いたものもある。日本版の絵本「デルス・ウザラー」のイラストも担当している。
[PR]
by teradaryohei | 2016-11-13 21:57 | トゥバ日記 | Comments(0)

Kapiw&Apappo コンサートと映画情報

—————————————————————————————————-

コンサートは予約で満席となりました。当日券も販売予定はございません。

なお、ドキュメンタリー映画「kapiwとapappo~アイヌの姉妹の物語~」は通常通り11/19より上映されます。是非劇場へお越しください。

—————————————————————————————————-

ちょっと縁がありまして、僕が敬愛してやまないアイヌ音楽姉妹デュオ・Kapiw&Apappo(カピウ&アパッポ)の東京でのソロコンサートをお手伝いしています。なお、11/19(土)~12/2(金)まで、お二人が主演のドキュメンタリー映画が渋谷ユーロスペースにて公開されます。あわせて是非ご覧ください。
a0213796_213933.jpg

Kapiw&Apappo 

LIVE @驢馬駱駝 ~ UTASA ウタサ ~

2016 11/23 (水・祝)
【開場】 18:30~
【開演】 19:00~
【料金】 大人: 予約 2800円 / 当日 3300円
     学生: 予約 1000円 / 当日 1500円 (小学生は無料)

【チケット予約先】  
kapiapa.nakano@gmail.com まで 
*代表者氏名、お連れ様氏名、連絡先を明記の上、メールにてご予約ください。ご質問などもお店ではなくこちらまで宜しくお願いいたします。
TEL:070-6655-4479/寺田 (出れない際は折り返しお電話いたします)

【会場】 驢馬駱駝 / ろまらくだ 〒164-0003 東京都中野区東中野2丁目25−6 9F

【Kapiw&Apappo / カピウ&アパッポ】

アイヌ語でKapiw/カモメ・Apappo/花という意味。
阿寒湖・アイヌコタン出身のウポポを歌う姉妹ユニット。
幼少の頃から、地元阿寒や祖母から伝承されてきた歌を中心に、民族楽器
ムックリやトンコリも交えつつ、アイヌの歌の魅力を伝えている。
2011年より活動を開始。全国各地にて公演他、様々なミュージシャンとの共演も行っている。 2016年8月にFirst Albam 『PAYKAR』を発表。

a0213796_21403920.jpg

Kapiw&Apappo / First Albam 『PAYKAR』 2000円(税抜)*当日会場で販売いたします*
E-mail:kapiw8apappo@yahoo.co.jp
Homepage http://kapiw.jimdo.com/kapiw-apappo/


a0213796_21411914.jpg
ドキュメンタリー映画

「kapiwとapappo~アイヌの姉妹の物語~」

劇場公開決定!

11/19(土)~12/2(金)まで  渋谷ユーロスペースにて21時よりレイトショー

*Kapiw&Apappoの二人が結成されるまでの日々を追い駆けた、佐藤隆之(企画・撮影・監督)のドキュメンタリー作品が2016年11月に渋谷ユーロスペースにて公開されます。詳細はこちらのHPからご覧ください。
http://kapiapamovie.com




[PR]
by teradaryohei | 2016-11-03 21:34 | ライブ情報 | Comments(0)

明治大学レクチャー&コンサート 「トゥバ共和国の文化と伝統音楽」

a0213796_13373096.jpg


10/22に明治大学のリバティーアカデミーにて、レクチャーコンサートの講師を務めます。
故江波戸昭先生がご担当されていた講座で大変光栄なことです。

タイトルは「トゥバ共和国の文化と伝統音楽」としました。
私の演奏に加え、トゥバの文化全般について写真や映像を交えながら解説します。

あまりに広大なトゥバの文化を語るにはまだまだ勉強不足を痛感する日々ですが、今年の滞在ではかなりの現地資料を集め現在目を通しているところです。トゥバの文化を知ることによって、トゥバの音楽をより深く理解できます。トゥバに関心があるけどよくわからない方、トゥバの音楽が好きで文化に関心がある方、是非ご参加ください。この機会にトゥバの魅力をお伝えできればと思っています。

この講座はオープン講座ですので明治大学以外の外部の方でも参加できます。事前の申し込みが必要です。詳しくは以下の情報をご覧ください。

https://academy.meiji.jp/course/detail/3250/

先週の時点で150名定員のうち半分ほど埋まっていたそうです。

★《追記》 当日ちょっとしたトゥバの工芸品やお土産品などを販売予定です。

------------------------------------------------------------------------------------

世界の民族音楽を聴く第1講「トゥバ共和国の文化と伝統音楽」 ―レクチャー&コンサート―

講座趣旨

民族音楽は、いうまでもなく世界各地に赴き、人々の生活に触れ、現地の楽士が演奏するものを聴くのが一番よい機会ではありますが、現実にはなかなかむずかしいものです。このオープン講座では2000年度からリバティアカデミー教養・文化講座『民族音楽紀行』を担当された故江波戸昭先生(明治大学名誉教授、地理学)の遺志を受け継ぎ、日本在住のトップクラスの演奏家をお招きし、それぞれの分野での音楽や楽器、さまざまな社会的・文化的背景などのお話をしていただきながら、みなさんに楽しいレクチャー&コンサートのひとときを共遊していただきます。

「トゥバ共和国の文化と伝統音楽」

■演奏 : 寺田 亮平(トゥバ音楽演奏家・喉歌歌手)

ロシア連邦の構成主体であるトゥバ共和国はモンゴル国と接するアジア中央部・南シベリアに位置する共和国で、北海道2つ分くらいの面積に30万人ほどの人々が暮らしています。トゥバ人は文化的にはモンゴルに近い遊牧民でありながら、ウズベク、カザフなどと同じテュルク諸語であるトゥバ語を話す民族です。そんな日本では殆ど知られていないトゥバ人の伝統的な暮らしや文化を写真や映像を交えて紹介しながら、世界的に知られた喉歌を中心に、イギル、ドシプルールといった民族固有の楽器を用いた伝統的な音楽演奏をお聞かせしたいと思います。

2016年10月22日 14:00~16:30
定員 150名

リバティアカデミー会員料金 1,000円
一般料金 2,000円
キャンパス 駿河台キャンパス

■会場:駿河台キャンパス グローバルフロント1階 グローバルホール
駿河台キャンパスは、JR「御茶ノ水駅」徒歩3分、丸ノ内線「御茶ノ水駅」徒歩3分、千代田線「新御茶ノ水駅」徒歩5分、新宿線・半蔵門線・三田線「神保町駅」徒歩5分です。

■受講に際し、必ず入会と受講のご案内をご確認ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

■開場: 13:30

講師紹介

寺田 亮平 (テラダ リョウヘイ)
トゥバ音楽演奏家・喉歌歌手

1999年より喉歌を習い始め、2010年よりトゥバと日本を往復しながら現地での滞在修行を続けている。喉歌、トゥバ語による伝統的な歌の他、伝統楽器イギル、ドシュプルールなどを演奏する。師匠はモングンオール・ オンダ-ル。国際シンポジウム他現地で受賞歴多数。トゥバの伝統的な歌の聞き取りや翻訳作業、トゥバ各地方での撮影等現地調査を行う他、日本では中央アジア、シベリア関係のコンサートも多数企画している。

石川 修次 (イシカワ シュウジ)
コーディネータ・元明治大学付属中野中学校・高等学校教諭
2005年度後期、2009年度後期、2011年度後期、2013年度後期、2015年度後期オープン講座レクチャー&コンサート「世界の民族音楽を聴く」出演者。1950年東京都に生まれる。國學院大學卒業後、明治大学付属中野中学高等学校の教員となり、現在に至る。大学では民俗学を学び、日本各地の民俗調査に携わる。中学時代にアメリカのフォークソングに出会い、1965年から5弦バンジョーを弾き始める。特にトラディショナル・フォーク・ミュージックに深い関心を持ち、伝承者の「人となり」を研究している。またバンジョーについての興味は尽きることなく、現在も19世紀後半から現代に至るバンジョーをめぐる文化的・社会的・歴史的背景について研究を続けている。
[PR]
by teradaryohei | 2016-10-02 13:46 | ライブ情報 | Comments(0)

直川礼緒さんのスゴさを語る

a0213796_22411221.jpg


口琴関係の皆さんにはおなじみ、日本口琴協会代表のの直川礼緒さんですが、口琴という楽器自体が珍しいということもあり、音楽ファンの方でもご存じない方は多いんじゃないかと思います。
直川さんは口琴関係の音楽の現場には良くいらっしゃいますし、大変気さくな方なのですが、最近
「いや、みんな直川さんのスゴさを判ってないよな・・・」
と感じることが多々あるので、今日は「僕が考える直川さんのスゴさ」について書かせてください。

a0213796_225338100.jpg

直川さんの著書「口琴のひびく世界」


直川さんは、口琴という楽器を通じて、「シベリアの音楽をほとんどはじめて、日本でまともに紹介した人」だと僕は思っています。「シベリアの音楽」といってもいわゆるロシア人の民謡やバラライカの演奏などではなく、「ロシア人の移住が始まる前からシベリアに住んでいるアジア系の人たち」の音楽です。

 ワールドミュージックが好きな方でも、シベリアの音楽といわれてもあまりピンと来ないでしょう。
戦後、小泉文夫氏をはじめ多くの方々の尽力により日本にも世界各地の音楽が紹介されるようになり、1980年代にはいわゆる「ワールドミュージックブーム」もありましたが、やはりソビエト連邦内の諸民族の音楽は政治的な問題や言葉の壁もあり、あまり多くは紹介されてこなかったと思います。

 まだ冷戦構造が生きていた時代は西側の外国人がソ連に入国することは難しく、モスクワやペテルブルグに行けたとしても、シベリアに行くことは手続きも煩雑でかなり難しかったはずです。ゴルバチョフが登場してからは外国人にも徐々にその鉄の扉が開かれるようになり、谷本 一之先生ら音楽学者の非常に重要な仕事もありますが、一般の人に沢山の機会を提供したという点において直川さんの功績は非常に大きいと僕は思っています。(というか、直川さんの恩師は小島美子先生なので、実は小泉文夫直系の人とも言える)

a0213796_2314072.jpg


 直川さんが紹介したシベリアの音楽のなかで、代表的なのがサハでしょう。サハ共和国は世界でもっとも口琴が盛んに演奏される土地で、直川さんはまだソ連時代にヤクーツクで開催された第二回国際口琴フェスティバルに参加されたのをきっかけにその後何度も現地に足を運ばれ、サハの口琴演奏家の招聘、コンサートの企画制作、ビデオや音楽CDの制作、日本人を連れての現地ツアーなど積極的な活動を行ってきました。
 現在、世界で最も有名な口琴を演奏する音楽グループといえば「アヤルハーン」だと思いますが、
直川さんはアヤルハーンが結成される以前に中心メンバーであるアリビナ・ジェグチャリョーヴァ氏や、当時まだ若かったオリガ・ポドルージナヤ氏など数人の演奏家を招聘、CDの制作を行い、この時のアリビナとオリガのデュオはアヤルハーンの母体となっています。

 サハ以外にも僕が取り組んでいる南シベリアのトゥバにも1993年の時点で足を踏み入れ、喉歌のシンポジウムの模様をレポートし、トゥバを代表する音楽学者であるゾーヤ・クルグスやバレンチナ・スズケイ氏の論文を翻訳し紹介していますし、トゥバの口琴音楽をまとめた非常に意義深い音楽CDも制作なさっています。

またアルタイ・ハカスのミュージシャン達との親交も深く、招聘活動や音楽CDの制作も行っており、アルトィン・タイガというユニットでご自身で演奏活動も行っています。

それ以外にもナナイ・ウデヘ・ウリチといった沿海州に暮らす諸民族の音楽文化も口琴ジャーナル等でレポートを掲載していますし、国際口琴フェスティバルなどにはアイヌの方とご一緒に参加されることも多いので、実はこういったシベリア諸民族とアイヌの方々が交流するという大変意義深い機会も作っているのです。

a0213796_23271128.jpg


そして日本の口琴文化の復興にも多大な貢献をなさっています。ここ20年で口琴を演奏するミュージシャンは非常に増えましたし、埼玉県で鉄口琴が多数出土されたことなどは直川さんの影響もある気がします。(考古学者が口琴という楽器を知らない場合が結構あるようです)

研究者としては、実際に現地に赴いていることはもちろん、まず目を通されている文献の豊富さが凄いです。ロシア語やテュルク諸語を含めたかなりの文献に目を通されていますので、ちょっとした研究者では太刀打ちできないでしょう。視点も非常にニュートラルだと感じます。

 ただ、直川さんは演奏家としても大変ユニークな方です。口琴という楽器はその民族によって演奏方法が違うので、その演奏方法を知っていることはとても大切なことですが、直川さんは伝統的な演奏はもちろん、新しい表現のアプローチにも非常に貪欲で国際口琴フェスティバルなどでも大変ユニークなパフォーマンスを行っています。ソロアルバムも2枚発表されていますので、是非聞いてみてください。

ちょっと書いているとキリがないのですが、今度6/18(土に)企画している「ユーラシア・トラディショナル・ミュージック2」でも直川さんに演奏していただきますので、ご興味がある方は是非会場で直川さんの演奏をご覧になってください。今回はコンサートの企画の性格上、諸民族によって演奏方法が違う、伝統的な演奏をお願いしていますが、毎月行っている日本口琴協会の定例会など、様々な演奏活動を行っています。また本コンサートでは日本口琴協会が運営を行っているオンラインショップ「びやぼん屋」の出店もお願いしていますので、実際に口琴や珍しいCD,書籍なども会場で購入することが出来ます。
a0213796_2316195.jpg


 僕が2013年にはじめて中央アジアコンサートを企画したときも、その出演者のほとんどは直川さんと関係している人たちでした。僕はある意味その人脈を使わせてもらったわけですが、企画を快く了承してもらったことに今でも大変感謝しています。

 直川さんの魅力に触れるには、まず著書「口琴のひびく世界」をご覧になると良いと思います。
CD付きなので各地の口琴演奏に耳を傾けながら読んでみてください。口琴の魅力に取り付かれること請け合いです。


一番上の写真は、2013年1月に開催された「中央アジアの音楽 vol.1」にて、バシコルトスタンの衣装を着て「ベル付き口琴」を演奏する直川さん。
[PR]
by teradaryohei | 2016-06-05 23:17 | シベリア関連 | Comments(0)

バルカン・シベリア・北インド ~ ユーラシア・トラディショナル・ミュージック2

---------------------------------------------------
チラシのPDFはこちらからダウンロードできます
フェイスブックのイベントページはこちら
大学などの教育機関・店舗などでチラシの配布・掲示にご協力いただける方がいらっしゃいましたらeurasia.tokyo@gmail.comまでご一報ください。チラシを必要分郵送いたします。
---------------------------------------------------

a0213796_21491186.jpg

a0213796_21494330.jpg


バルカン・シベリア・北インド ~ ユーラシア・トラディショナル・ミュージック2

日 時
2016年6月18日(土)18時開場 18時30開演 21時頃終演予定
出 演
バルカン(ブルガリア)
寺原太郎&池田絢子(北インド)
直川礼緒(ユーラシアいろいろ口琴)
寺田亮平(トゥバ)

チケット
予約:2900円
当日:3400円(満席の場合当日券なし)                          
学割 予約2400円/当日2900円(予約・当日とも受付で学生証掲示)
チャイルド割 予約1500円/当日1800円 ※15歳までのお子様

予約ご希望の方は
eurasia.tokyo@gmail.com  まで
お名前、予約人数(お連れ様のお名前)、連絡先
をご記入のうえメールにてお知らせください。ご予約の方優先でご入場できます。
(窓口は会場の驢馬駱駝様ではなくこちらの メールになります。質問などもこちらへお願いします。)

お電話ご希望の方は070-6655-4479(寺田)まで。出れない場合折り返しご連絡いたします。

会 場
驢馬駱駝 ろまらくだ
東京都中野区東中野2-25-6 PAO 9F
http://www.paoco.jp/roma/

出 店 
びやぼん屋(日本口琴協会による口琴、CD,書籍等販売)
KANNOTEXTILE(大陸の布と工藝)
主 催 コンサート「ユーラシア・トラディショナル・ミュージック」実行委員会
     連絡先:070-6655-4479(寺田)

--------------------------------------------------------------------------------

ユーラシア大陸各地ではそれぞれの地域で人々に親しまれ、受け継がれてきた音楽文化が現在でも力強く息づいています。国内外で活躍するすばらしい出演者の演奏を通して、その豊かな文化を是非体感してみてください。

出演者プロフィール

バルカン BALKAN (ブルガリア民俗音楽)

a0213796_20251591.jpg

中央: ヨルダン マルコフ Yordan Markov
1977年10月25日生まれ。ガドゥルカの中心地であるトラキア地方のノヴァ・ザゴラ市出身。7歳の頃よりガドゥルカを習い始め、17歳には町の舞踊グループのアンサンブルとして活躍。シューメン大学音楽科卒業後、ノヴァ・ザゴラ市の音楽教室でガドゥルカとソルフェージュを教える傍ら、近くの村の子供たちに歌を教えたり、ライブ活動を行う。2006年1月来日。まだまだ日本では馴染みの薄いブルガリア音楽を紹介しようと活動を始める。ガドゥルカはブルガリアの中でも、中央ブルガリアのトラキア地方や、西ブルガリア地方の民俗音楽で特徴的に使われます。

右:
石坂 史朗 Shiro Ishizaka
19才の時、民俗舞踊に出会う。蟹座。大学では社会学(社会教育)を学ぶ。
踊りの勉強のため、ブルガリアの首都ソフィアに渡る。ショプスキーアンサンブルに入団(民族舞踊と合唱)。1986年、国立プロヴディフ芸術学校に入学(民族舞踊科)。日本人として初めて、ブルガリアの踊りの 理論と実践を学び、ダンサーのためのブルガリア式準備運動(エキズリシス)、混合拍子のターン、ホロ、舞台芸術等を日本に紹介する。ブルガリアの踊りの基 礎をこの学校で習得。現在、ブルガリアの文化を紹介する活動をおこなっている。毎年、春にブルガリアダンスセミナーを開催。踊りだけではなく、民族音楽、民族楽器、民族衣装、ブルガリア料理等も紹介、ブルガリアを丸ごと紹介する活動をしている。

左:
大野 慎矢 Shin-ya Ohno
2005年よりブルガリアの伝統的なバクパイプ「ガイダ」の演奏を始める。きっかけは、民族音楽学者の草分けである故・小泉文夫氏の採録したガイダの独奏に触れて。
現在、踊りや歌の伴奏、民俗楽器のアンサンブルの他にも、伝統の枠から離れた様々な試みをしている。参加グループは、【BALKAN】【トラペ座】【mamaclio】【山村暮鳥のうた】他。

a0213796_20263535.jpg

寺原太郎 Taro Terahara
バーンスリー奏者。92 年より巨匠ハリ・プラサード・チョウラスィア師の弟子である中川博志氏に、96年より巨匠ニキル・ベナルジー師の愛弟子H.アミット・ロイ氏に師事。06 年より継続的にオーストラリアWoodford folk festivalに出演。07年坂本龍一プロデュース「ロハス・クラシックコンサート」出演。映画「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ永遠に」(2011)、映画「るろうに剣心」(2012、2014)、スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」(2015)で挿入曲を演奏。インド、 オーストラリア、南米、北米をはじめ国内外で演奏活動を行う。インド古典音楽の深い理解に基づく、叙情的かつダイ ナミックな演奏で、各方面より高い評価を受ける。
http://srgmtaro.jimdo.com/

a0213796_2026591.jpg

池田絢子 Ikeda Ayako
打楽器を村松達之氏より、タブラをU-zhaan、オニンド・チャタルジー、オヌブロト・チャタルジーの各氏より学ぶ。 インド古典音楽の他にも様々なジャンルのミュージシャンと共演し、精力的に演奏活動中。柳原陽一郎、minakumari、YAMPKOLTのレコーディングに参加。
NHK Eテレ「ムジカ・ピッコリーノ」出演。
町田・万象房タブラ教室講師。
website:http://ayako0109.wix.com/ayako-ikeda

a0213796_20305148.jpg

直川礼緒 Tadagawa Leo
日本口琴協会代表、国際口琴協会理事。ロシア連邦サハ共和国文化功労者。2011年、サハ共和国で 開催された、第7回国際口琴大会「世界口琴名人」コンテストで、9名の世界口琴名人の一人に選ばれる。著書「口琴のひびく世界」、CD「西比利亜 発 電脳空間 行」など 南シベリアはアルタイ、ハカスなどの民族の倍音音楽を奏でる、梅木秀徳との ユニット「アルトィン・タイガ」でも活動。

a0213796_20312319.jpg

寺田亮平 Terada Ryohei

トゥバ音楽演奏家・喉歌歌手。1999年より喉歌を習い始め、2010年よりトゥバと日本を往復しながら現地での滞在修行を続けている。喉歌、トゥバ語に よる伝統的な歌の他、伝統楽器イギル、ドシュプルールなどを演奏する。師匠はモングンオール・ オンダ−ル。国際シンポジウム他現地で受賞歴多数。トゥバの伝統的な歌の聞き取りや翻訳作業、トゥバ各地方での撮影等フィールドワークを行う他、日本国内 では中央アジア、シベリア関係のコンサート等も自身で手がけている。 本コンサートの主催者。

a0213796_20371665.jpg

ガイダついて
バグパイプは、紀元前のメソポタミア文明発祥とも云われ大変に古く、ヨーロッパ全域〜西アジア〜北アフリカなどに分布し、それぞれに独自の発達をしている。ブルガリアのガイダは、マケドニアのガイダ、ギリシャのガイダ、セルビアのガイデなどと同系である。ドローン管1本、メロディ管1本からなり、子山羊や羊の皮を裏返しにして前足、首部分をそのまま管の結合部に用いている。リードは両管ともシングルリードで、管の素材には水木などの木が主に使われる。地方によって特色があり、高音域のジュラ・ガイダ(ドブルジャ地方/ストランジャ地方)、中音域のスレドナ・ガイダ(ショップ地方)、低音域のカバ・ガイダ(ロドピ地方)がある。南東部ストランジャ地方では火渡りの踊りにトゥパンと共に必要不可欠な存在であり、また地方によっては結婚式などでも欠かすことが出来ない。

a0213796_20374180.jpg

バーンスリーについて

巷でインド古典音楽といえばシタールやタブラが有名だが、インド的には忘れてはならないのがクリシュナ神の吹く竹の横笛、バーンスリーである。その起源は古く、一説によれば世界の横笛の発祥とも言われるが、北インド古典音楽での主奏楽器としての歴史は意外に新しい。元来は民謡や歌や踊りの伴奏として華やかな音の短い笛が主流だったが、古典音楽の精妙で深い音を求めて長い笛を用いるようになったのが、1930年頃から活躍を始めたパンナラル・ゴーシュである。以降、ハリプラサード・チャウラシアの台頭により、一躍人気主奏楽器の座に躍り出た。構造は単純で、通常は一節の竹に歌口と6つの指穴、それに捨穴1つ開けただけのものが主流である。古典音楽用の7〜80cmのバーンスリーを作るためには、節間の長さがそれ以上ある竹を使わなければならない。良いバーンスリーを作るために必要な長さと丁度良い太さ、肉厚を持つ竹はインド全土にあるという訳ではなく、アッサム州やマニプール州など、インド北東部の密林地帯で伐採されて、インド各地に送られてくるという。

a0213796_20381071.jpg

ユーラシアの楽器口琴について

口琴は、ユーラシア大陸を発祥の地とし、世界中に見られる。竹や骨、木などでできた薄板状のものと、主に鉄などの金属棒を素材とする湾曲状の二種 類がある。たった一つの音を音源とし、口腔を共鳴器として使用。民族によって、音色・メロディ・リズムの音楽表現、メッセージの伝達など、様々に 用いる。最も盛んなのは、東シベリアのサハ共和国。日本では、アイヌ民族のムックリ、大宮氷川神社東遺跡出土の鉄口琴などが知られる。

a0213796_20383164.jpg

ドシプルールについて
トゥバに伝わる伝統的な撥弦楽器。両面を動物の皮で張ってあり棹が貫かれたスパイク構造になっている。ギターのようにかき鳴らしたり、爪弾いたりして演奏する。もともとは2弦であったが中国由来の3弦楽器チャンズなどと融合が進み現在では3弦が一般的である。

a0213796_20391372.jpg

【ブルガリアとブルガリア民俗音楽について】
東ヨーロッパ/バルカン半島に位置するブルガリアは、ヨーロッパとアジアの交差点であり、古代から様々な文明の影響を受けている。スラヴ系のブルガリア人の他にトルコ人、ロマも多く住み、イスラムに改宗したポマク、ギリシャ系カラカチャニなどの少数民族もいる。国土の三分の一は山岳地帯で、東には黒海が広がり、北はドナウ平原、中央にはトラキア平原があり、地方色が豊かである。民俗音楽は、500年近く支配されたトルコの影響や、ロマとの相互影響もあり、旋律/音階は長調、短調からアラブ音階、教会旋法などが一つの曲の中に入り組んで用いられたりしている。
Bavna Melodiya(ゆっくりした旋律)と呼ばれる、拍節のない日本の追分節のような、聴くための音楽と、舞踊曲(均等拍子から5、7、9、11、13など様々な複合拍子)がある。ブルガリアの民俗音楽は、歌を除く多くが踊りの音楽である。伝統的な民俗楽器に、羊飼いの吹いていた斜め笛のカヴァル、トルコのケメンチェと同系の擦弦楽器でありロマの熊使いの大道芸にも使われたガドゥルカ、山羊や羊の皮袋を使ったバグパイプのガイダ、迫力ある両面太鼓のトゥパンとしばしば一緒に演奏されるチャルメラ系のズルナ、トルコのサズと同系の複弦楽器タンブーラ、双管の笛ドヴォヤンカ、縦笛のドゥドゥックなどがある。かつてはそれぞれの地方ごとに限定されて使われていたが、現在ではこれらの楽器を集めたアンサンブル、楽団が一般的になっている。民謡では独唱も沢山あるが、世界的に有名な女性の合唱は、持続低音パートと短二度などの旋律パートによって作られる鋭い響きは強烈である。

a0213796_2174043.jpg

【北インド古典音楽について】

インド古典音楽の世界は北と南に大別される。ラーガ(旋律)とターラ(リズム)の理論に基づき、声楽をその中心に据える点はどちらも同じであるが、13世紀頃からのペルシャ勢力の進展に伴いその影響を強く受けて発展した北インド古典音楽(ヒンドゥスターニー)に対し、イスラム勢の侵攻から逃れてよりヒンドゥー的な要素を色濃く残す南インド古典音楽(カルナーティック)、という風に理解されている。両者は使用される楽器も異なり、ビートルズやラヴィ・シャンカルの世界的活躍により広く知られるようになったシタールやタブラは北、ヴィーナやムリダンガム、カンジーラ等は南の楽器である。笛やバイオリンはどちらでも使われる(但し奏法は異なる)。北インド古典音楽のラーガには、上行/下行の音列や装飾音、ムード、演奏されるべき時間帯や季節などが定められているものが多く、通常それらの規則は極めて厳格に守られる。昼のラーガを夜に演奏することはインドではまず考えられない。北インド古典音楽の演奏は、タブラの伴奏をつけずに自由なリズムでラーガを歌い上げるアーラープに始まり、続いてタブラと共に演奏されるガットと呼ばれるパートに移行する。ガットは最初ゆっくり始まり、段階的にスピードを上げ、最後は全力疾走となる。そこまで30分から1時間、長い時には3時間に及ぶこともある。演奏は、短い定旋律部分を除き、ほぼ全面的にラーガの規則に沿った即興によってなされる。主奏者が即興を一旦終え定旋律に戻ってくると伴奏のタブラ奏者が即興を展開し、タブラ奏者の即興が終わると主奏者が再び即興を始める。

a0213796_218411.jpg


【トゥバとトゥバの音楽】
トゥ バはアジアの中央部、シベリア南部に位置する共和国。ロシア連邦に属する。人口約30万人。首都はクズル。面積は 17万1500㎢(北海道二つ分ほど)。住民の約7割がトゥバ人。公用語はトゥバ語とロシア語。トゥバ語はテュルク語系の言語。宗教はシャマニズムとチベット仏教が盛んである。主な産業は畜産、鉱工業など。山岳地帯、森林、草原、砂漠など自然に変化が富んでおり、羊、トナカイ、ヤク、ラクダなど ユーラシア大陸のすべての遊牧形態を見ることができる。現在も遊牧は盛んであるが街に定住しているトゥバ人も多い。トゥバは小さな共和国であるがその音楽 世界は多様である。中でも喉歌フーメイ (хөөмей)が有名で、似たような発声での喉歌がトゥバ以外にもハカス、モンゴル国西部などアルタイ山脈周辺地域に見られるがその起源ははっきりしていない。元々はソロパフォーマンスが主体であったが1980年代以降舞台化が進み数多くのアンサンブル が生まれた。また多くの民族楽器があり口琴も盛んに演奏されている。現在のトゥバはフンフルトゥなど世界的なグループの活躍や伝統音楽のオーケストラの設立、ポップスやロックも盛んであり、音楽的に大変に充実した時期を迎えている。

a0213796_2185223.jpg

びやぼん屋
日本口琴協会の通販ショップ「びやぼん屋」が今回も出店!ユーラシア大陸各地の口琴を実際に音を聞いて購入できるほか、珍しいCDや書籍など、各種グッズも販売します!

a0213796_21193245.jpg

KANNOTEXTILE
大陸各地の布を用いた衣料品の制作等を行っているKANNOTEXTILEが出店いたします。
是非豊かな大陸の服飾・工藝文化に触れてみてください!
[PR]
by teradaryohei | 2016-04-25 20:23 | ライブ情報 | Comments(0)


トゥバ音楽演奏家の寺田亮平のブログ。ロシア連邦トゥバ共和国の現地情報、社会、文化、ミュージシャンなど紹介します     dtxmain[at]gmail.com


by teradaryohei

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
はじめに
プロフィール
トゥバ日記
ライブ情報
トゥバ共和国について
トゥバの音楽
トゥバの文化
トゥバ社会
トゥバ関連書籍
シベリア関連
トゥバの楽器が欲しい方へ
未分類

以前の記事

2017年 05月
2017年 04月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 06月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 01月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 03月
2013年 12月
2013年 10月
2013年 08月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 09月
2011年 07月
2011年 06月

フォロー中のブログ

最新のコメント

トゥバの人たちにとって、..
by 佐藤隆之 at 15:21
ホーメイを練習中でイギル..
by 信國 at 17:46
クーチークリーチャー様 ..
by teradaryohei at 20:47
お久しぶりです。昨年秋、..
by クーチークリーチャー at 17:31
キューレさんお久しぶりで..
by teradaryohei at 14:01
アチコチでご活躍のようで..
by キューレ大王 at 19:46
nakamuraさん ..
by 寺田亮平 at 14:33
kawazuさん はじめ..
by 寺田亮平 at 14:22
デルス・ウザーラを検索し..
by KawazuKiyoshi at 13:16
HHTやチルギルチンなど..
by NakamuraT at 20:58

メモ帳

最新のトラックバック

http://venus..
from http://venusgo..
venuspoor.co..
from venuspoor.com/..
venussome.co..
from venussome.com/..
http://www.v..
from http://www.val..
ミュージカルかファンタジ..
from dezire_photo &..

ライフログ

検索

タグ

その他のジャンル

ブログパーツ

最新の記事

トゥバの音楽とインドの笛と
at 2017-05-05 21:33
テュルクとペルシアの音楽~カ..
at 2017-04-04 21:24
北方諸民族の歌と踊り - ..
at 2017-01-29 20:31
北方諸民族の歌と踊り -① ..
at 2017-01-25 18:37
ソロライブ & トゥバ最新レ..
at 2017-01-06 22:44

外部リンク

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧